shiruso(シルソ) ネーミング
shiruso - 2021.09
- ネーミング
- 横田孝優
shiruso
新潟県三条市を拠点に、フォトグラファーやライターとして活躍する斎藤恵さんの屋号を制作しました。
斎藤さんは2015年に独立。これまで「photo creation pupa」という屋号で活動してきました。その名の通り当初はフォトグラファーとして経験を積んできた斎藤さんは活動の幅を広げ、現在はライターというふたつ目の顔も持っています。
屋号改称の相談をいただいてまず考えたのが「変える必要があるのか?」という点。6年間使ってきた名前には6年分の知名度があり、それはひとつの財産です。屋号を変えるのであれば、その財産を捨ててもプラスになるだけの価値を生み出す必要があります。
屋号を変える理由を聞いていくと、いくつかのポイントが見えてきました。
ひとつ目は、仕事内容が今後も広がっていく可能性があること。フォトグラファーやライターだけでなく、将来的にはメディア運営の展望もあるため、今の屋号とのズレが大きくなることが予想されました。ただ、この点は「photo creation」のみを見直せば解決できるものであり、改称を決定づける課題とまでは言えません。
気になったのがふたつ目。“pupa”の読みは「ピューパ」なのですが、「プパ」「プーパ」と間違われることが非常に多かったそうです。「音」はネーミングの重要な要素のひとつ。小さいようで意外と大きな問題点と言えます。
これらに加えて、新しいネーミングは屋号にとどまらず、「メディア名」「事務所名」にも共通して使えるものにしたいという要望がありました。これによって今回のネーミングの最大の目的は、斎藤さんの活動すべてを表現することだと分かりました。
写真、文章、メディア。これらが果たす役割は「記録」と「記憶」です。共通する漢字を取り出すと「記・記す」。ここからネーミングの発想を広げていくことにしました。
以前から斎藤さんと仕事をしてきましたが、初対面の相手ともすぐに仲良くなってしまうのがすごい所。愛されキャラの斎藤さんには、誘いを呼びかける「記そ」が似合うと考え、「shiruso」という屋号が誕生しました。
課題
- フォトグラファー・ライター・メディアと、活動の広がりに合わせて成長する屋号が必要
- 屋号だけでなく、メディアや事務所の名称にもなりうるネーミング
プラン
「記録」と「記憶」というキーワードから「記す」、さらに誘いを呼びかける「記そ」へと変換してネーミング化。