ますますポーク ネーミング・コピーライティング
佐藤食肉 - 2021.09
- ネーミング
- コピーライティング
- ブランディング
- 横田孝優
ますますポーク
いただきますます。
作ってくれた⼈にいただきます。
届けてくれた⼈にいただきます。
育ててくれた⼈にいただきます。
⾷材にいただきます。地球にいただきます。
つながっている全部に、いただきます。
新潟県内の企業連携により生産される新しい豚肉ブランドのネーミングとコピーライティングを担当しました。
この豚肉は飼育や流通プロセスの中で、環境課題や地域課題の解決に取り組んでいます。
お菓子メーカーから出る規格外品は、栄養満点の飼料として再利用。長年の研究で発見した独自の配合技術が生かされています。酒造りで出る酒かすを混ぜることで、やわらかな肉質のお肉に仕上がります。使用済みの培地(きのこを育てる土台の部分)は、飼育舎の床に敷きつめて活用。発酵して熱を生み出すので、冬も快適に過ごせます。
さらに、豚肉の売上の一部は子ども食堂に寄付し、子どもたちの居場所づくりにも貢献します。
この豚肉はスーパーのお肉売場で買うことができる商品。エシカル商品の多くは、限られたルートでしか購入できなかったり、生産数が限定的だったり、普通の商品よりも高額だったりすることが珍しくありません。
日常生活の中で負担を増やすことなく買えるこの豚肉は、エシカル消費のハードルを下げる意味も持っています。ある意味で、この商品の最大の特徴と言えます。
SDGs、サスティナブル、フードロス、エコフィード、アニマルウェア。さまざまな関連ワードを考えましたが、ネーミングとコピーで伝えたいのは「たのしく参加できるエシカル」であること。そのため、なるべく平易な言葉を心がけて言語化を進めていきました。
そこで注目したのが「いただきます」。この言葉は、ごはんを作ってくれた人だけではなく、食材を運んでくれた人、売ってくれたお店、育ててくれた生産者、そしてそれらの人々が暮らす地域、さらには地球と、実はたくさんの存在に向けられています。そこで、「ます」をもうひとつ重ねて、「いただきますます。」というキーワードを作り出しました。
ネーミングは『ますますポーク』。「いただきますます」と「ますます良いおいしさへ」というふたつの思いを込めました。食物と環境への感謝と、それらを将来につないでいく意志を表現しています。
新潟の課題を解決し、食生活やコミュニティを応援する。「いただきますます」の声とともに、そんな持続可能な社会を目指す輪が広がっていくことを願っています。
課題
- SDGsへの取り組みを形にした商品だが、近所のスーパーで買える親しみやすさも大切な特徴
- 子どもから大人まで、食べるだけで参加できる取り組みとして訴求したい
プラン
生活の中で口にする「いただきます」から、コピーとネーミングを発想。楽しく手軽なエシカル消費として訴求する。